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HIV(エイズ)にかかると、死ぬの?

一昔前にHIV、エイズの感染が世界中に広まった時、とてもセンセーショナルな報道のされ方も相まって、死に直結する恐ろしい病として多くの人に認識されました。
日本で初めて感染者が確認されたのは1985年です。
感染し、発症すれば命はないといったイメージでした。
しかし、現在では医療の進歩もあり、エイズで死ぬ人は減少傾向にあります。

HIVウイルスに感染しただけで死ぬということはまずあり得ません。
HIVウイルスに感染しながらも、一般的な生活を送っている人は大勢います。
体の中にウイルスを持っていても、発症させない薬の開発が進歩したおかげです。
母子感染もこの病気の課題として挙げられますが、それを防ぐ薬も開発がかなり進んでおり、効果を上げています。

完全にエイズを完治させるまでには至っていませんが、発症を抑え、発症したとしてもすぐに死ぬことはないという程度までは医療技術は進歩しています。

HIVに感染してすぐには、目立った自覚症状はありません。
2週間前後から悪寒やリンパ節の腫れ、発熱、咳など風邪に似た症状が現れはじめます。
この段階でHIVを疑うことは難しいです。
体は抗体を作りはじめ、そのあと症状が収まります。
落ち着いた状態が続きますが、この期間が長いことが特徴です。
5年から10年という長期にわたり、潜伏期間が続きます。
しかし、その間も体の中ではHIVウイルスは増え続け、徐々に免疫機能を奪っていきます。

長い潜伏期間を経て、発症するのがエイズです。
この期間に感染に気づき、治療を開始することが何より重要です。
感染の有無は保健所で無料で検査することができます。
少しでも心当たりのある人は受けてみると良いです。
陽性であってもすぐに死ぬことはないですし、はっきりと陰性とわかれば安心できます。
いずれにしても検査を受けて損はありません。

人から人へは性交渉や母子感染、血液などを通じて感染することがほとんどですが、そもそもどのようにして人間に感染したのでしょうか。

エイズが人間に感染した経緯の研究結果

エイズが人間に感染した起源や経緯には諸説あります。
ただ、様々な研究結果から多くのことがわかってきました。
1980年代にゴリラやチンパンジーなどの類人猿から、SIVと呼ばれるウィルスが発見されました。
これは人間のHIVに非常に近く、免疫不全を起こすことでも知られています。
本来、サルやゴリラなどの類人猿から人間にウィルスが感染することはないのですが、突然変異により感染が可能になったと推測されています。

元々は、ハンターが熱帯雨林で、類人猿を殺した、または食したことにより感染したというのが有力な説です。
人間の体に侵入したウィルスが、突然変異を起こすことにより感染したとされます。
ここが最初のポイントで、HIVウィルスはとても変異しやすいことで有名です。
決定的なワクチンが開発されない理由の一つもそこにあります。

ウィルスの遺伝子は、人間のウィルスのような高い完成度を持ち合わせてはいません。
そのため、自分のコピーを作るときにしばしば元の情報とは違うウィルスが作られてしまいます。
人間の体に入ったHIVウィルスもコピーを繰り返すうちに突然変異が起こり、人間に感染できる力を持ってしまったという研究説が有力です。

HIVウィルスは類人猿から人間に感染するように変異しただけではなく、その後さらに人間から人間へも感染する変異を遂げてしまったと考えられています。
その後、性交渉や注射器の使い回しなどにより、アフリカを中心に爆発的な感染が起こったとされます。

様々な研究結果からHIVやエイズの起源や感染経路がわかってきました。
これらをエイズの治療薬やHIVウィルスの撲滅などに役立てていくことが重要です。
死に直結する病というイメージはなくなりつつあるエイズですが、恐ろしい病であることに変わりはありません。
感染を未然に防ぐこと、早期発見、早期治療の必要性が叫ばれています。

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