落ち込んでいる女性

性病というとどんなイメージでしょうか。
自分には関係ない、ふしだら、恥ずかしいこと、だと思われる方もいるかもしれません。
性行為を通じて感染するため、恥ずかしい、他人には話せない、一人で悩んでしまう傾向もあるようです。
しかし避妊具を使用しない性行為などを通じて、若者たちの性病感染者が増えつつあるとも指摘されているため、性病の種類や感染した際に感じられる初期症状、また感染経路などについて知識を深めなければなりません。

主な性病の種類

日本では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」によって、4類と5類に全14種類の性病が指定されており、それぞれの発生動向が医療機関や医師からの報告義務によって、感染者数が把握されています。
感染症法では、その感染力や命に与える危険性において1~5類まで種類分けしており、1類が最も危険度が高く、5類が最も低くなります。
またインフルエンザなどの感染症や指定感染症、新感染症の3区分も存在する他、指定されていない性病も存在しています。

感染症法における第4類(全数把握疾患)に指定されている性病であるA型肝炎は、ウィルス性の感染症で一過性の急性肝炎を発病することが知られています。
上下水道が整備された先進国では少なく、途上国で多い性病ですが、数ある性病の中でも感染力が比較的強くなっています。
また抗体保有者が少ない先進国では、小規模ながら集団発生することもあります。

5類感染症には、ウィルス性であり慢性化リスクのある急性ウィルス性B型肝炎・C型肝炎が、指定されています。
原虫である赤痢アメーバーが原因となるため、赤痢アメーバー症とも呼ばれています。
さらに梅毒トレポネーマによって感染する梅毒など他全4種類が指定されています。

第5類(定点把握疾患)の性病としえは、ヒトパピローマウイルスなどが原因となる尖圭コンジローマなど他、全4種類が指定されています。

この他にも未指定の性感染症として、良性のウィルス感染症である伝染性軟属腫(水いぼ)があります。
また細菌が原因となる細菌性腟炎、吸血昆虫ケジラミによるケジラミ症、デュクレイ菌に感染することにより発症する軟性下疳(なんせいげかん)などがあり、いずれも性行為によって感染する性病です。

よく知られている感染症を紹介しましたが、原因によって幾つかの種類に分けることができます。
まず肝炎などで見られるウィルスを原因とした性病、アメーバーなどの原虫(微生物)が原因になる性病、菌類によって感染する性病、原核生物である細菌類によって感染する性病です。

一見すると性病とは全く関係のなさそうな肝炎のような感染症もありますが、性行為を冠して感染する場合は性病と位置づけられているため、肝炎のような病気も含まれることになります。

様々な性病の症状

性病に感染すると、何らかの形で違和感を生じますが、その症状は様々です。
最も注意しなければならないのが、初期症状を全く感じない場合でしょう。
感染していているのに無症状であると、知らず知らずのうちに新たな感染者を増やしてしまうリスクがあります。

A型肝炎の場合は、発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐などの症状を発します。
急性肝炎なので比較的症状が強くでるため、病気になったことをはっきりと自覚できます。
同じ肝炎でもB型・C型は、症状が違ってきます。
B型肝炎は、白目の部分が白くなる黄疸があらわれ、全身の倦怠感や食欲不振を感じます。
C型肝炎はB型肝炎の症状と似ていますが、比較的軽くなっています。

赤痢アメーバー症の典型的な症状は下痢になっており、いちごゼリーのような真っ赤な血が混ざった粘血便、排便時に下腹部痛を感じます。
梅毒トレポネーマは、感染してから3週間ほど経過すると感染した部分(性器・肛門・口など)に赤いシコリが生じます。
尖圭コンジローマは、性器や陰部、肛門にイボを生じますが、痛いと感じないため無自覚であることが多いです。

伝染症軟属腫の症状は、性器に円形の丘疹型の水いぼができます。
細菌性膣炎は、魚臭いの下り物や魚介類が腐ったような臭いのする下り物が現れます。
痒みや発赤をする方もいますが、無自覚の方も多いです。
ケジラミ症は、陰毛あたりが異常なほど痒いのが特徴で、猛烈にかきむしってしまうほどです。
また吸血昆虫が皮膚から血液を吸血した際に下着に出血します。
軟性下疳は、生殖器に発赤ができます。
また膿胞から潰瘍になって痛いと感じたり、出血したり、化膿することもあります。

様々な性病の症状を紹介しましたが、何も感じない無自覚であったり、ごく僅かな初期症状しか感じなかったりする場合もあるため、症状の有無だけで判断できません。
しかし大抵の性病は、自覚症状があります。
典型的なのが倦怠感や食欲不振、発熱などです。
また下痢や排便時に痛いと感じる場合や、便に血液が混ざる場合も珍しくありません。

また性病の場合は、痛いという症状はなくとも陰部や陰茎、肛門などにシコリや水いぼ、発赤ができることも多いです。
今までにないぐらい痒いと感じたり、女性の場合は魚臭のするような下り物がでたり、嚢胞ができると性病の可能性が高いといえるでしょう。

ありとあらゆる感染経路を考えてみる

性病とは「性行為によっても感染する」病気のことであり、「性行為でのみ感染する」というわけではありません。
一般的に性病の感染経路というと性交渉を思い浮かべがちですが、実際は多様です。
ここでは考えられる限りの感染経路を取り上げたいと思います。

最も知られているのが、性行為です。
性行為とは、互いの性器や肛門などに触れたり、挿入したりといった行為のことです。
手や指、性器を使った性行為をすると、接触した部位に細菌やウィルスなどの病原体がついてしまい感染します。

キスをするだけでも感染する場合があります。
口に性病の病原体があれば、互いにキスを交わすことで、粘膜の中に含まれた細菌やウィルスが移動するため、感染してしまうことがあります。
また口をつかったオーラルセックスでは、性器や肛門から口、あるいは口から性器や肛門へという経路で感染する場合があります。

汚染されたものを媒介して感染することもあります。
例えば、排泄物や嘔吐物などに直接触れてしまったり、飛沫として飛んできた汚染物を知らず知らずのうちに取り入れてしまったりすると感染するリスクが高くなります。

血液感染する性病もあります。
感染者の血液中に入り込んだウィルスが、非感染者に血液に触れることで、感染します。
例えばカミソリを共有したり、ピアスの穴あけ機を不十分な消毒で不特定多数に使いまわしたり、感染者の母胎で育つことで母子感染することもあります。
また可能性は極めて低いですが、事故や手術中など使用される輸血によって感染した事例もあります。

原虫が原因となる性病は、水に触れることで感染します。
原虫の場合は、乾燥した環境に弱く、湿気のあるところを好むため、水が回りに生息します。
このような病原体がトイレの便座や洗面台、お風呂、サウナや温泉、浴場といった場所に生息していると感染する可能性もあります。

これ以外にも感染経路を持たない性病も知られています。
人間の体にはたくさんの微生物(細菌)が生息しており、常在菌と呼ばれています。
ほとんどの常在菌は病原性がないため安全ですが、中には病気の原因となるものもあります。
普段は免疫によって活動を抑えられていますが、病気やストレス、生活習慣の乱れによって免疫が弱くなると活動が活発になり、性病になってしまいます。

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